波尾の選択 傑物たちの至言に触れて

名言を超えた至言。生を突き詰める傑物達。至言に触れて触発された想いを綴ります

傑物の至言-4 Raymond Chandler (レイモンド・チャンドラー)

 

The moment a man begins to talk about technique that’s proof that he is fresh out of ideas.技術(テクニック)について話し始めるってときは、そいつにアイデアが枯渇しているってことだ。『The Raymond Chandler Papers: Selected Letters and Nonfiction, 1909–1959    Edited by Tom Honey and Frank MacShane 』より

 

 

1940年『Farewell, My Lovely(さらば愛しき女よ

1953年『Long Goodbye(長いお別れ)』

「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」(清水俊二訳)

を始めハードボイルド小説作家の第一人者であるチャンドラー。

1ページに数個の洒落た「台詞」を決める。

主に主人公のフィリップ・マーロウが口にするが相手も負けちゃいない。

 

長らく清水俊二などの翻訳が読まれていたが、村上春樹が長編を翻訳し直したことでも数年前から再び脚光を浴びた。

ミステリー小説、犯人探しの探偵小説と一線を画した「ハードボイルド小説」の真骨頂は、その台詞に込められた「視線」そのものだ。

チャンドラーの「視線」を活かすために書かれた小説は数々の名言と讃えられる台詞などの「アイデア」から成っているのであって、決して「技術(テクニック)」からじゃないのだ、と言っているかの如く。

 

これは他の様々なことにも当てはまらないかい?

 

 

長編 8作

1939年 『Big Sleep(大いなる眠り)』

1940年『Farewell, My Lovely(さらば愛しき女よ)』

1942年『High Window(高い窓)』

1943年『Lady in the Lake(湖中の女)』

1949年『Little Sister(かわいい女)』

1953年『Long Goodbye(長いお別れ)』

1958年『Playback(プレイバック)』

1959年『Poodle Springs(プードル・スプリングス物語)』未完。Robert B Parker(ロバート・B・パーカーが完成させた。

 

映画脚本 4作(共同作含む)

1944年 『Double Indemnity(深夜の告白)』

   Billy Wilder(ビリー・ワイルダー)監督作

1944年『And Now Tomorrow(愛のあけぼの)』

   Irving Pichel(アービング・ピシェル)監督作

1946年『Blue Dahlia(青い戦慄)』

   George Marshall(ジョージ・マーシャル)監督作

1951年 『Strangers on a Train(見知らぬ乗客)』

        Alfred Hitchcockアルフレッド・ヒッチコック)監督作

 

映画化された作品

★1944年『Big Sleep(三つ数えろ)』

       Howard Hawks(ハワード・ホークス)監督作

★『Farewell, My Lovely(さらば愛しき女よ)』

1944年『Murder, My Sweet(ブロンドの殺人者)』

1975年『Farewell My Lovely(らば愛しき女よ)』

★『Lady in the Lake(湖中の女)』

1944年『Lady in the Lake(湖中の女)』

★『Little Sister(かわいい女)』

1969年『Marlowe(かわいい女)』

★『Long Goodbye(長いお別れ)』

1973年『Long Goodbye(ロング・グッドバイ)』

2014年 浅野忠信主演でNHKでドラマ化

 

 

 

 

 

Raymond Chandler (レイモンド・チャンドラー)

小説家、映画脚本家

1888/7/23-1959/3/26 (享年70歳)

 

 

 

★こんなに有難い至言に遭遇させて頂きながらも、敬称略で書かせて頂くことをご本人、関係者にお詫び致します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『けだし名言』

 

ただの名言、格言、金言じゃなく、本質に迫る言葉が『至言』。

ただの有名人、著名人じゃなく、怪物級、規格外の人物が『傑物』。

 

その『傑物』の『至言』が放たれた奥底に迫りたい。