波尾の選択 傑物たちの至言に触れて

名言を超えた至言。生を突き詰める傑物達。至言に触れて触発された想いを綴ります

傑物の至言-19 Sam Shepard(サム・シェパード)

 

本来、愛国心というのは、政府でなく、国に対する思いのことなんだ。そこがごっちゃにされている。愛国者というと、右翼かと思われる 。

 

1978年『Days of Heaven(天国の日々)』での光と揺らぎの中での表情

1983年『Right Stuff(ライト・スタッフ)』でのニヒルでシャープなパイロット

2005年『Don't Come Knocking(アメリカ、家族のいる風景)ではWim Wendersの映画で原案、脚本を書き主演もしてみせ

2007年『Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford(ジェシー・ジェームズの暗殺

2012年『Killing Them Softly(ジャッキー・コーガン)』でのまさにそのままのカッコ良い在り様を見せ

2011年『Blackthorn(ブッチ・キャシディ -最後のガンマン-)』では死に様さえかっこ良く

2015年~『Bloodline(ブラッドライン)』では屈折度の高い父親の背中を見せ、

それらすべて、男でさえも憧れる眼光鋭い二枚目の容姿を持っていたからじゃないかと決めつけると間違うことになる。

 

1960年代からニューヨークの舞台へ戯曲を何作も書きいくつもの賞を受賞している劇作家がそもそもSam Shepardの本職。

 

戯曲10作

映画脚本4作

映画俳優 51作

映画監督 2作

テレビ俳優 2作

 

 

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書くことは時間がかかるとはいえ

50本以上の映画に招かれるというのはあの「眼光」「色気」を求められ証。

他の役者では得られないからキャスティングされ続けたのだろう。僕はライター。すべてのルーツはそこにある。演技は、ライターであることの一部にすぎないんだよ。理解してもらえるか、わからないけれどね。ほかのことは、すべてグレイビー(ソース)だ エンディングを考えるのは嫌い。いつも悪夢だ。だって、何事も、終わるとは思えないから。全部うまくすっきりまとめてしまおうという誘惑はあるが、それは絶対嫌だ2005年 カンヌ映画祭での猿渡由紀氏のインタビューから)

 

1975年~BOB Dylanボブ・ディラン

『Rolling Thunder Revue(ローリング・サンダー・レヴュー)』ツァーを

映画『RENALDO & CL(レナルド&クララ)』となる映像撮影のためSam Shepard脚本のために呼んだが、完成版で脚本クレジットはBOB DylanとなっているSam Shepard追加台詞を書いたり出演したりしている。

アレン・ギンズバーグまで出演したこの映画は興行的にボロボロで、ソフト化されていない。

 

この時のことをSam Shepard『Rolling Thunder Logbook (ローリング・サンダー航海日誌―ディランが街にやってきた)』として書いている。

 

これが映画デビューする前のことだ。

BOB Dylanが指名するくらい舞台の世界では地位を築いていた。

 

 

 

とにかく男も女も惚れるカッコ良さを体現した人。

しかし、その奥底には軽く近寄れない鋭利なものを抱えていた。

それがあの「眼光」に現れている。

結局、あたり前のことながら「顔相」はその人の生き様があっさりと現れてしまう。

今日も遺作になった『Bloodline(ブラッドライン)』Sam Shepardの立ち姿を見ようと思う。

 

 

Sam Shepard(サム・シェパード

1943/11/5-2017/7/27 (享年73歳)

劇作家、 脚本家、俳優、監督

 

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『けだし名言』

 

ただの名言、格言、金言じゃなく、本質に迫る言葉が『至言』。

ただの有名人、著名人じゃなく、怪物級、規格外の人物が『傑物』。

 

その『傑物』の『至言』が放たれた奥底に迫りたい。