波尾の選択 傑物たちの至言に触れて

名言を超えた至言。生を突き詰める傑物達。至言に触れて触発された想いを綴ります

傑物の至言-20 忌野清志郎

 

うーん、大人がやっぱりもっと真面目になんないとダメだと思うんです。真剣に生きるっつーかねぇ。いい加減な大人が増えたんじゃないですかね。子供から見て大人が怖くもないし、尊敬もできないっていう。20016月号ルーフトップのインタビューから

こんなこと、そうそう言えるものじゃない。

「え、学校のセンセーだって言いそうじゃない。割とフツーに」

そう反論される人は清志郎が使う「真面目」「真剣」の意味を理解できない、体感できない人だろう。

 

1988年、洋楽をカバーしたアルバム『COVERS』に収録した曲「Love Me Tender(ラヴ・ミー・テンダー)」「Summertime Blues(サマータイム・ブルース)」で核、原発問題を歌詞にした為、RCサクセション所属の東芝EMI(親会社東芝からの圧力とされる)が「素晴らしすぎて発売できません」という新聞広告を1988/6/22全国紙に打ち、発売中止

(新聞広告は清志郎からの要請だったという話)

『COVERS』キティ・レコードから発売されオリコンチャート1位となった。

その後のライブでは「君はLOVE ME TENDERを聴いたか?」という曲までプレイしている。

『COVERS』ではこの他にも1987/11/28大韓航空機爆破事件の実行犯金賢姫の声を使った「Secret Agent Man (シークレット・エージェント・マン)」という曲も収録された。

 

1999年 アルバム『冬の十字架』の収録曲にパンク風君が代があり、所属のポリドールが発売拒否

後にインディーズのSWIM RECORDSから発売。

 

2002/6/1 FM802の番組「JAPANESOUL」アルカイダーズと名乗り出演、「9•11」に関連した曲をプレイしたが放送でカットされた。清志郎は長間敏(おさまびん)、三宅伸治は神田春(かんだはる)と名乗るデュオだった。

 

 清志郎が無責任に騒がせようとした筈もなく、要するに「蓋をしない」という勇気を見せただけだったのだと思う。

 たったそれだけのことさえ、この国の他のミュージシャン、アーティストがやらないことだった。

 いまのようにSNSが普及していたら圧倒的に拡散、支持されたであろう行為がいまでは単なる「伝説」としてしか残されていないのが悲しい。

 

カバーズ

カバーズ

 

 1968ー1991年 RCサクセション

1982年 坂本龍一とデュオ「い・け・な・いルージュマジック」がヒット

1987年 ソロ・アルバム発表

1988年 覆面バンドTHE TIMERS(ザ・タイマーズ)」結成

2000年 ラフィータフィー結成

同時期、サイクリングにハマる

 

「スロー・バラード」「トランジスタ・ラジオ」の歌詞を始め、名曲を多数産んだ、本当に音楽と一体化した、素敵な人だった。

 

 

忌野清志郎

1951/4/2-2009/5/1 (享年58歳)

ヴォーカリスト、ギタリスト、作詞家、作曲家、自転車乗り、俳優、

三浦友和は高校の同級生

 

 

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『けだし名言』

 

ただの名言、格言、金言じゃなく、本質に迫る言葉が『至言』。

ただの有名人、著名人じゃなく、怪物級、規格外の人物が『傑物』。

 

その『傑物』の『至言』が放たれた奥底に迫りたい。